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音楽は何歳になっても人を元気にしてくれる、そう確信したはなしをしよう。
99歳で旅立った祖母が98歳の時に突然体調を壊して入院する数日前のこと、用事で自宅に戻った私の耳に飛び込んできたのは軽やかなピアノの旋律ではずむような元気いっぱいの感じの曲だった。
その日家には祖母だけしかいないはずで、私はそっとピアノのある部屋に庭から近づいた。
梅雨前で気温は高く廊下の窓ガラスは開け放たれていた。
調律の人を家内が頼んだのかなとか思いながらピアノからの死角に隠れて覗き込むとなんと祖母が弾いていた。
譜面はない。体を揺らしてリズムをとっている。腕は高く上がったり指揮棒を振った素振りになったりしていた。
私はなんだかじーんとして泣きそうになった。おばあちゃんはピアノが弾けたんだ、そしてこの童謡のメドレーはなんてあったかくて優しくて誇らしいのかと私は感心してしゃがみ込んだままで聞き続けた。
しばらくして疲れたのかよいしょと言って祖母はソファに寝転んですぐに寝てしまったようだった。
小学生のころ、2つ上の私の姉をピアノ教室に連れて行っていたのは祖母だった。そのときに一緒にレッスンを受けたのかもしれない。カラオケも恥ずかしがって歌うことのなかった祖母のハートには音楽があったのだ。おそらく一人で家にいる時には思いっきりピアノを弾いていたんだろうと簡単に想像できた。
祖母の人生を豊かにしたのもののひとつは音楽に違いないと思っている。
そのピアノは現在、私の経営するお店の玄関で元気に演奏してくれる方を待っている。
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